設立の趣旨
基礎科学の発展と多くの先端技術の開発に支えられ、20世紀には宇宙の探求が精力的に進められてきました。21世紀に入り、宇宙の年齢が約137億歳であることも評価され、宇宙の探求に拍車がかかっています。しかし、その一方で、私たちの住む宇宙は、未知の暗黒物質に操られ、さらには暗黒エネルギーによって加速膨張していることも示唆されるに至っています。探求すればするほど、宇宙にはまだたくさんの謎があることがわかります。
このような状況の中で宇宙の理解を進めていくには、いろいろな研究方法がありますが、できるだけ基本的なスタンスで進化する宇宙の姿を調べ尽すことが肝要であることは間違いありません。そこで、宇宙進化研究センターが『宇宙の進化』に焦点を当てて総合的に研究展開し、宇宙探求の分野で国際貢献することを目的として設立されました。
愛媛大学では、銀河、暗黒物質、宇宙の大規模構造、銀河中心核にある巨大ブラックホール、宇宙プラズマなどのテーマで既に国際的に大きな研究成果を上げてきています。したがって、これらの研究をさらに推進し、有機的に結びつけて新たな研究展開を行っていくことで、大きな発展を目指すことが可能です。そこで、本センターでは
- 宇宙大規模構造進化研究部門
- ブラックホール進化研究部門
- 宇宙プラズマ環境研究部門
の3つの部門からなる研究体制を敷くことになりました。
本センターの設立に伴い、理学部に宇宙物理学を体系的に学べる宇宙コースを設置しています。このようなコースを設けている大学は国内では少ないため、本センターの設立により、四国のみならず西日本地区における宇宙物理学の教育を受けられる大学として、愛媛大学が大きな役割を果たすことが期待されています。
以上のことから、世界的な宇宙進化研究の拠点形成を目指した宇宙進化研究センターを本学に設置することで、本学の教育研究の進展に大きく貢献することを目指します。